[strong]■ISDS(Investor State Dispute Settlement)[/strong]
いわゆるISD条項と呼ばれている国際法上の紛争解決手続き。
ものすごく簡単に書くと、「損失を被った」と投資家が外国政府を相手取って提訴できるとした条項。
で、何がそう驚愕かと申しますと、野田首相がこのことについて良く理解していなかったということ。
日本がTPPに参加した暁には、あの手この手を使って海外の投資家から提訴されることが簡単に予想される。
この「ISD条項」については、諸外国でも大論争となっているにもかかわらず、野田首相は「寡聞にして知らない」と一言。
TPP交渉参加表明まで数時間を残した11日午後の国会中継を観ていてのハプニングだ。
自民党・佐藤ゆかり議員の質問に対しての対応だった。
「…絶句」である。
この人に任せておいて本当に大丈夫なのだろうか?
心底不安になりました。
■実は別の件について書く予定だった
同じTPP関連ではあるが、超党派による反対決議の本会議上程を意図的に阻止したことについてである。
衆院議運委員会の一部を入れ替えてまでもこれを阻止したことは、どう見てもやり過ぎ。
「反対表明は衆院の半数に満たなかったのだから、そのまま本会議に上げるべきだった」と、同日の国会で述べた新党日本の田中康夫議員は正しい。
にもかかわらず、不安要素を多く含む議題だからとこれを力業でねじ伏せた格好だ。
これが国会および民主主義の軽視に他ならないことは一目瞭然であろう。
このTPPの問題をはじめ、多くの問題については必要な情報量が圧倒的に少ない。
参加の是非を表明する当日にこんなゴタゴタがあるのもそれに起因するのではないだろうか?
原発問題も然りである。
少し前になるが、脱原発を求める署名活動に参加した際のことに触れたい。
地元駅前にて、ビラを片手に署名をお願いしていたのだが、どうも関心を示す人が少ない。
あれだけの事故を経験し、ましてや収束のめども立っていないこの状況。
何かしらの意見もしくは考えを皆それぞれが持っているだろうと思っていた…。
この私の認識は大外れだった。
通行人の大多数は、まるで「この件には触れないほうがいい」と言わんばかりの対応。
もちろん中には賛成・反対の意見を持ち、それを理由に署名をしてくれる人・拒否する人もいた。
だが多くの「無関心」には本当に驚いた。
発災前なら仕方がないが、311以降は…。
■民主主義について
この国の人々はもともと意見・議論を闊達に交わす文化にそぐわないのかもしれないが、民主主義を享受するためにはこれは必要不可欠…いや、責任ではないだろうか。
良く言われることである。
「自由には責任が伴う」と。
少し話を戻そう。
上に情報量が少ないと書いた。
人々が議論を交わすためには情報が絶対必要であることは、火を見るより明らかである。
しかし情報量が少ない。
それでも議論をするといった責任を放棄する訳にはいかない…。
どうすればいいのか?
…八方塞がりか。
一見、そう見えるが、実はそうじゃないのではないかと最近考えるようになった。
本当は、情報を与えられるまで待っていてはダメなのではないかと。
それを出すように自ら求めないと。
民主主義を享受するにはそこから責任が発生するのではないのかと。
実は自由を享受するのは結構大変なことなのだと。
■今晩、首相がTPPへの交渉参加の是非を表明する
私は反対だ。
食料自給率が13~14%にまで落ち込んでしまったたら、食料安全保障に支障が出る。
ロシアが麦の禁輸措置を取ったことは記憶に新しい。
日本はたまたま円高の状態にあるため、急激な食糧の高騰に悩まされずにいる。
大規模農業に転換し、莫大な投機マネーにより食糧供給が安定しない可能性も簡単には捨てられない…等々。
不安要素が尽きないこの議題。
なぜもっと早くに公に議論を始めなかったのか?
なぜ知りえる情報だけでも出さなかったのか?
不安が不安を煽るこの状態。
やはりTPPへの参加は反対したい。
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